ハードディスクが完全に故障していない時のデータ救出法
ハードディスク クラッシュが起きてしまっても、ヘッドが無事で、クラッシュしてしまった箇所以外のデータが読めるのであれば、そのデータを救出することが可能です。
まず、個人でデータ復旧を試みる前に確認します。
ハードディスクがOSから認識できるのならば、別のパソコンに繋いでデータをコピーするのがいいのですが、作業になれていない人、自信のない人は、それ以降の作業で人為的要因でハードディスクに致命傷を与えてしまう可能性もあります。それほど、ハードディスクを直接扱うと言うことはデリケートな作業であるということを忘れてはいけません。
特にノートパソコン(その中でも特にメーカー製の小型ノート)はハードディスクの取り外しが困難なケースも多く、分解しただけでも液晶のフラットケーブルを切断してしまったりと二次的な被害が出やすいので注意が必要です。
また、あなたが企業のデータを扱っている場合、そのデータを有料ででも復旧したいのであれば最優先で業者に依頼すべきです。
個人で復旧を試みるのであればその会社の了解を得てから試してください。
ただ、闇雲に再起動を繰り返したりすれば、データを救える確率も低くなります。
デフラグやスキャンディスクはデータ復旧の目的には致命傷にもなりかねませんので実行しないで下さい。
以上のことを踏まえた上で、データの読み出しを試みます。
■外付けのハードディスクとして認識させる
もっとも簡単な方法はUSB経由で外付けのハードディスクとして認識させ、データをコピーする方法です。
ハードディスクを繋ぐために、もう1台、正常に起動するパソコンが必要です。
または、新規のハードディスクに交換するのであれば、いままで使っていたパソコンに新規のハードディスクを取り付け、OSの再インストールをしておく必要があります。
取り出したハードディスクを外付けのドライブとして使うために、ハードディスクを格納するケースを購入する必要があります。
パソコンのショップで3000~5000円くらいで入手できます。
試しに楽天で「外付けHDDケース」で検索してみました。
参考にして下さい。
あまり、高いものを購入する必要はありません。
検索結果からは、色々なタイプのHDDケースがヒットしますが、あなたのハードディスクにあったケースを選ばなくてはなりません。
あなたのパソコンがノートパソコンならば、2.5インチのハードディスクが使われています。
2.5インチのハードディスクには、大きさの規格の他に”厚み”が違うものがありますので注意が必要です。
最近では9.5mm厚のタイプが多いですが、一昔前だと12mm厚のようなものがありますので、HDDケースの説明書きをよく読んで購入しなくてはなりません。
デスクトップパソコンの場合は3.5インチのハードディスクが使われています。
3.5インチの場合は大きさではなくインターフェース(コネクタ部)に違いがあります。
最近はSATA(シリアルATA)というインターフェースが主流です。
ハードディスクのコネクタ部分が1cm程度のシンプルなコネクタであればSATAです。
少し前のハードディスクであればU-ATA(ウルトラATA)をいう規格のパソコンかもしれません。
コネクタ部分が大きく4cm程度のコネクタが使われていればUATAです。
あなたのコネクタ形状をよく確認して、それに合ったHDDケースを購入する必要があります。
取り外したハードディスクを外付けのハードディスクに収めたらUSB経由でパソコンに接続します。
ウインドウズが途中まで起動できるハードディスクであれば、別のパソコンから、このハードディスクの中身が確認できるはずです。
ここまできたら、まだ無事なデータを退避させましょう。
■内蔵の2台目のハードディスクとして認識させる
デスクトップパソコンの場合、2台目のハードディスクを取り付けられるタイプがあります。
規格と言うよりは、パソコンに2台目のハードディスクを入れるスペースがあるかどうかという感じですね。
別のパソコンに内蔵できるハードディスクのタイプを確認します。
対応しているハードディスクであれば、起動用としてではなく、2台目のパソコンとして接続します。
最近ではSATAのインターフェースにしか対応していないパソコンも多く、逆に寿命を向かえつつあるパソコンにはUATAが多いと思いますので、組み合わせ的にこの方法は使えないかもしれませんが。
UATAの場合、1つのコネクタに2台のハードディスクを接続できます。
1台目はマスター、2台目をスレーブといいます。
この設定を行うジャンパーがハードディスクのコネクターの脇に付いていますので確認して下さい。
いままで、起動用に使っていたハードディスクなら、そのハードディスクはマスター(MA)、またはケーブルセレクト(CS)に設定されているはずです。
このジャンパーをスレーブ(SL)に設定して下さい。
接続するパソコンに付いているハードディスクの設定がマスター(MA)だった場合はそのまま、ケーブルセレクト(CS)だった場合はマスター(MA)に設定して準備完了です。
パソコンの電源を入れてみましょう。
ウインドウズが途中まで起動できるハードディスクであれば、別のパソコンから、このハードディスクの中身が確認できるはずです。
ここまできたら、まだ無事なデータを退避させましょう。
SATAの場合はハードディスク1台に付き1本のケーブルが必要です。
もしない場合はSATAのケーブルを1本購入しましょう。
SATAのコネクタはパソコンの基盤上に数個ありますが、起動時の優先順位がありますので、システムの入っているハードディスクより順位の低いコネクタに接続して電源を入れましょう。
後の手順は他の方法と同じです。
■データ回収後のハードディスクは?
データを回収できた後、そのハードディスクをどうするか、これが難しいところです。
「物理障害と論理障害を理解しよう」を読み返してみましょう。
論理障害であれば、ヘッドや媒体など物理的な障害はないのでハードディスクをフォーマットしてしまって、そのまま使い続けても問題はないでしょう。
メーカー製のパソコンであれば、リカバリーをかけてしまってもいいでしょう。
異音がするなどして、物理障害が疑われる場合は、そのまま使い続けるのは危険です。
かと言って捨ててしまうのは惜しい・・・
そういうことであれば、USBの外付けHDDケースを購入して、2台目のハードディスクとして使用することをおすすめします。
ハードディスク クラッシュしてしまったハードディスクのヘッドは、接触のダメージを受けていることが多く、寿命は短くなっていると思って間違いありません。
そのため、再フォーマットしてシステム用にすることはおすすめしません。
カテゴリー:1. HDD クラッシュ 対処法
セーフモードで試してみよう
ハードディスク クラッシュしてしまった場合の対処法は、正常なデータを救うことです。
ウインドウズが立ち上がらなくなってしまった場合、そのハードディスクは正常に動作するマシンに繋いでデータを読み出す必要があります。
この方法は後述する「ハードディスクが完全に故障していない時のデータ救出法」で説明することにしますが、この方法を実施する場合は、別に動作するマシンを準備するか、新しいハードディスクを用意して、新たにOSをインストールしなくてはなりません。
現在、使用しているハードディスクから必要なファイルを退避させた後、そのハードディスクをフォーマット、新規にOSをインストールするという方法が試せますので、何とかウインドウズを起動できないかと考える方もいらっしゃるでしょう。
こんな時、試してみる価値があるのがセーフモードによる起動です。
セーフモードというのは、ウインドウズに余計なデバイスを組み込まずに、身軽な状態でウインドウズを起動するモードです。
クラッシュした場所次第ではセーフモードで起動できる可能性も残されていますので試してみる価値はあるでしょう。
■セーフモードの起動方法
パソコンの電源を入れると、まずはBIOSの動作画面(メーカー製の場合は、メーカーのロゴが表示されていることもあります)が出た後、ウインドウズの起動処理に入ります。
このウインドウズの起動中に F8キー を押し続けると、ウインドウズのセーフモードの選択メニューが表示されます。
ここで「セーフモード」を選択し、ウインドウズが立ち上がるかどうか確認してみましょう。
ウインドウズが起動したら、ファイルの救出を最優先に作業します。
残念ながら、ウインドウズの起動に至らなかった場合は、そのまま電源を落とし、何度も再起動を試さないようにします。
しつこく再起動を繰り返しても、ハードディスクが直ることはありません。
むしろ、症状を悪化させ、救えたはずのデータまで失ってしまうことになりかねません。
カテゴリー:1. HDD クラッシュ 対処法
ウインドウズのロゴは出るが、起動しない場合
ある日、突然ウインドウズが起動しなくなってしまった。
原因が物理的なハードディスク クラッシュなのか、ウイルスなどによる論理的なファイル破損なのかは判断が難しいです。
ウインドウズの画面まで出ると言うことは、ハードディスク自体の電源も入っていますので、データの退避ができる可能性は残されています。
要はウインドウズのシステムに関わるファイルが破損してしまっているため、ウインドウズが起動に至らないということなのです。
ウインドウズの画面のまま、延々と処理が進まない場合や、起動途中にブルー画面になってしまうこともあります。
ブルー画面というのはその名の通り、真っ青な画面で、なにやら訳のわからない英語のメッセージがどーっと出てくる状態です。
ブルー画面になる場合は、ハードディスクの故障だけでなく、他のハードウェアの故障の可能性もあります。
いずれにしても、ウインドウズのロゴまで出てくるということは、ハードディスクの一部のデータは読み出せるので、ヘッドも無事であると判断できます。
ある特定の部分以外は読み出せる可能性が高いので、自己責任でデータ救出を試みるのもいいでしょう。
実際にデータを読み出す場合の方法は「ハードディスクが完全に故障していない時のデータ救出法」で説明します。
カテゴリー:1. HDD クラッシュ 対処法
ウインドウズが正常に起動する場合
ハードディスク クラッシュしたのかどうか判断できないが、特定のファイルだけ読み出せないとか、特定のアプリが起動できないといった場合、物理的(媒体に傷がつくなどして)に読めないのか、そのファイルに対する情報が失われてしまっただけなのか判断しにくいところです。
ウインドウズが起動できているのは幸いと思って、まずは大事なデータを退避させて下さい。
読めないとわかっているファイル、起動できないとわかっているアプリについては、データの退避がすむまで、極力アクセスしないようにしましょう。
媒体の傷(打痕など)とヘッドの二次接触による致命傷を極力回避しながらデータの退避に努めます。
ある程度、データが回収できてから、ハードディスクにスキャンディスクを実施します。
論理的なエラーの場合はスキャンディスクで回復することもありますが、物理的なエラーだった場合、このスキャンディスクが致命傷にもなりかねません。
業者に頼んで復活させてもらうと決めた場合は、スキャンディスクなどは実行せず、なるべく障害発生時のまま修理に出した方がいいでしょう。この場合、何度も電源を入れ直すのも避けるべきでしょう。
繰り返しになりますが、ハードディスクは消耗品です。
遅かれ早かれ、必ず壊れるものなんだと言うことを忘れないようにしましょう。
ハードディスク クラッシュの対処といっても、ハードディスク自体の修理というのは基本的に不可能です。
ハードディスクが不具合を起こしたら、バックアップも取っていなかったら、正常なデータまで読めなくなってしまう前にデータの退避、これが鉄則です。
カテゴリー:1. HDD クラッシュ 対処法
とにかく何が何でもデータを復旧させたい場合
例えば、クラッシュしたのが企業のパソコンで、お金を使ってでも救出したいデータがある場合、
この場合だけは、個人で色々と試す前に業者に依頼することをおすすめします。
個人で、何度も再起動を繰り返したりしているうちに、そのまま業者に出せば救えていたかもしれないデータさえも消失してしまう可能性が高いからです。
初期調査費無料の日本データ復旧サービスセンターは、私が愛用しているデータ復元ソフトウェア【ファイナルデータシリーズ】を販売している会社です。
ハードディスク クラッシュのデータを復旧させることをサルベージと言います。
通常の方法では読み出せないハードディスクから、データを読み出すためには専門的な技術が必要です。
私がハードディスクの技術者だった頃、書き込み後の媒体の状態を見るために、中の媒体を取り出すときは、無塵のクリーンルームを使って作業しました。
おそらく、技術のある業者は、当然それに相当する設備で作業をしていることと思います。
こういった設備の投資の差が料金の差にも表れているのかなと思います。
サルベージを行う業者の技術力も一定ではないので、値段だけで決めるのだけは避けたいものですね。
ごく軽度の復旧作業で数万円、百万越えの作業料なんて話も聞いたことがあります。
こうならないためにも普段のバックアップが大事なんですね。
そうは言っても、ハードディスク クラッシュしてしまったら後の祭り・・・
少しでも多くのデータを救出することを考えます。
まず、ハードディスクの様子がおかしいと感じたら、まずは落ち着いて一呼吸。
このハードディスクにはどんなデータが入っていただろうか、バックアップを取っていないデータはなかっただろうか、よく考えてみましょう。
電源を落としたら、2度と起動できない可能性も考えて、無事なデータの退避を最優先に考えてください。
ここで、お金が掛かっても取り戻したいデータがあるのであれば(企業ならそういうこともあり得ますね)、電源を切った後は自分で何とかしようと考えず、業者に依頼した方がよいでしょう。
個人で復旧を試みて、何度も何度も再起動を繰り返しているうちに、救済できたかもしれないデータまで失う可能性もあります。
サルベージするのにかかる費用を、そのデータの価値を比べて、それでも救いたいと思ったら、もう自分ではそのハードディスクはいじらずに業者に渡す、これが一番いい方法です。
逆に、惜しいデータではあるが、そこまでの価値はない。
ということでしたら、自己責任で復旧を試みるのがいいと思います。
カテゴリー:1. HDD クラッシュ 対処法
ハードディスク クラッシュの症状を確認しよう
ハードディスク クラッシュした場合、症状によって対処が別れます。
ここでは、まず、あなたのハードディスクがどういう状態であるかを把握しましょう。
■ウインドウズは起動するが、ある決まったファイルにアクセスするとエラーとなってしまう。特定のアプリが起動しない。
■ウインドウズのロゴまでは出るが、それより先に進まない。または、途中からブルースクリーンになってしまう。
■セーフモードでなら起動する。
ちなみにセーフモードというのは、ウインドウズに余計なデバイスを組み込まずに、なるべく素の状態で起動するためのモードです。電源を入れて、ウインドウズが立ち上がっているときにF8キーを押すことでセーフモードに入れます。
■セーフモードでも起動しない。
■NTLDR is missing。というメッセージが出て先に進まない。
■DISK BOOT FAILURE。というメッセージが出て先に進まない。
■BIOSでもハードディスクを認識しない。
大体、ハードディスクの不具合を見る場合は、上記の症状で切り分けられると思います。
後は注意して欲しいのはハードディスクの音ですね。
いつも聞き慣れない音がしていませんか?
特に多いのが「カッツカッツカッツ」という叩くような音。
これは目的の場所が見つからずにヘッドがストッパーに当たっている音なんですね。
この音が聞こえるとかなりヤバイです。
自分のハードディスクの症状がつかめたら、症状別の対処法に進みましょう。
カテゴリー:1. HDD クラッシュ 対処法
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